Let's 尊厳Life

尊厳City研究所 大川ともゆきのブログ

ハイパーノマド時代に

最近、ハイパーノマドなどという言葉を耳にします。

ノマドとは遊牧民のことで、まだ人類が一箇所に定住できていない時代に、採集や狩猟をしながら土地を点々とするライフスタイルを持っていました。
やがて農業革命が起こり、採集や狩猟をしなくとも田畑を持ち、牧畜ができるようになることで、一箇所に定住するライフスタイルが確立していくことになります。
それから約1万年、再びノマドライフスタイルが注目されているわけですから、歴史サイクルとは面白いものです。

ハイパーノマドの特徴は、一箇所に定住せず、世界中を点々としながらビジネスをするライフスタイルのようです。LCCがスタートして以来、世界中をより移動しやすくなりましたし、インターネットによって国境をまたいだビジネスもしやすい環境となってきています。そんな中で自由を求める若者を中心に流行っているようなのです。
これは歴史の流れだなーと感じます。というのも、情報化社会の到来と叫ばれて久しいですが、新しい社会になっているにも関わらず、人と人との協力関係がいまだ産業社会の時と変わらないと思っていたのです。

今から200年前、農業社会から産業革命が起きて産業社会が到来した時、仕事の仕方と協力体制に大きな変化がおきました。農業社会においては、基本的に家族で農場を経営し、出勤という概念はありませんでした。
家族で協力し、農産物を生産していたのです。

産業革命が起きると、工場が乱立し、男手は街中の工場へと出勤して働くようになりました。ここで家庭と仕事の分離が起きました。工場では社長や工場長を中心として、分業体制で協力しながら工業製品を生産していたのです。

フォードなどの大会社になると、ただのメーカーではなく社内に流通部門など、あらゆる部門を入れるようになります。 そして、組織の内側だけで何でもまかなう企業文化が育っていきます。外にあるものを企業の中に入れる時代でした。

しかし、産業社会から情報化社会になりますと、中と外がひっくり返ります。組織の中にあったものを外に出すようになりました。今は製造も営業も経理も人事もアウトソーシングできてしまう時代です。人材もインターネットで募集すれば、比較的簡単に集めることができてしまいます。

極端な話、アイデアと情熱さえあれば、誰でも巨大なビジネスができてしまう時代だとも言えます。 ゆえにハイパーノマドになって、世界中の人と繋がって世界を舞台にビジネスをするのも面白いかもしれませんね。
21世紀は個人知識起業家の時代です。巨大組織が主役の時代は間も無く終わります。

だからこそ、新しい時代を見据え、個人知識起業家の協力体制を今から訓練しておく必要があります。

個人の集まりですから、多様な観点がぶつかり合い、本来であればビジネス遂行は非常に困難なのです。
つまり、新しい時代のビジネススタイルを確立するには、 多様な観点がぶつかって分裂するのではなく、全ての観点を生かす、人間の意思決定能力の向上が欠かせません。
ITなどのテクノロジーを本当の意味で使いこなすためには、人間機能をバージョンアップさせるテクノロジーも同時に必要だということです。

ITブームの次は、間違いなく人間開発ブームが到来でしょう。