トヨタの減益に見る日本経済の弱さ
日本を代表する企業であるトヨタが、円高のあおりを受けて減益の見通しであることを発表しました。
今年頭から日本株が大暴落し、一時は昨年末の高値から4000円近く下げました。
その背景については、いろいろと言われておりますが、シンプルに言えば、為替が円高に動いたからです。
円高に動いた要因は、それはそれでいろいろとあるでしょうが、ひとまず日本の株というのは、
円安に動けば、株価が上がる
円高に動けば、株価が下がる
シンプルな因果があります。
これは、なぜかと言うと、日本の株式市場というのは、ウォールストリートの大金持ちの方々の影響によって左右されています。
東証全株式の7割から8割は、実際のところ出所は数社で、それを沢山のファンドを通したり、証券会社を通しているので沢山の投資家によって株価が決まっていると思いやすいだけです。
その人たちが買ったか売ったかで株価が決まってしまうのが、日本の株式市場です。
で、その大金持ちの方々は自分で売ったり買ったりしているわけではないんですね。
あるプリンシプルをプログラミングしたコンピュータがやってくれています。
そのコンピュータがとんでもないスピードで株を売ったり買ったりしているわけですが、そのプリンシプルというのが、とっても単純なのです。
円が下がったら株を買う
円が上がったら株を売る
以上です。
それは、株価と為替の値動きを見ていたら一発で分かります。
アベノミクスにおいては量的緩和による円安誘導など、トヨタを含む経団連に所属しているような大企業を潤わせる方策を続けてきました。
そのことで、トヨタも過去最高益を続けてきたわけですが、本来為替に関係ない経済構造を持った強い国家をつくるべきです。
しかし、近年は金融政策と為替の安さに依存した政策を繰り返してきています。
円安だったから利益と株価が上がり、円高になったから利益と株価が下がったという、今回のトヨタの例が日本の経済構造の象徴なのだということでしょう。
日本は輸出に強いイメージがあるでしょうが、本来は内需が強い国です。
つまり、海外に販路や拠点を持たない中小企業が日本を支えているのです。
その中小企業に活力が戻るような方策を施さなければ、日本経済が本当の意味で活性化することは難しいのではないでしょうか。