AI vs GI ~①現代の憧れ職業はAI技術者~
今年3月、Google傘下のディープマインド社が開発した「Alpha碁」が、囲碁の世界チャンピオンに勝利したニュースをきっかけに、一気にAI関連のニュースが増えたように思います。
あらゆる分野でのAIが活躍しているニュースが飛び交う中、金融、投資といった分野におけるAIの活躍には目覚ましいものがあります。
景気を浮上させるべく苦心する日銀が、政策決定会合の場で様々な金融政策を打ち出して参りました。
その政策を的確に予測することはエコノミストでも簡単なことではありません。
特に黒田日銀総裁は、サプライズを演出することで市場にショックを入れることをやったりしますので、余計に予測することは難しいのです。
そんな中、大方のエコノミストでも外してきた予測を、AIが人間よりも高確率で予測を的中させている事実があります。
月例経済報告や金融経済月報など各種データをAIが解析し予測しているので、やっていることは人間と変わりません。
しかし、AIは人間よりも圧倒的に多いビッグデータをもとに解析することできます。
予測の精度は先に書いたように、人間をすでに上回っており、今後解析・予測能力も、取り込めるデータ量も向上していく一方であれば、人間に勝ち目はありません。
別に予測に限る話ではく、政策判断などもAIができるということです。
ということは、近い将来「人間ではなくAIに経済の舵取りを任せる」といった事態が生まれてくることでしょう。
そのようなAIの能力に目を付けたのが、巨大なマネーを運用する世界のヘッジファンドたちです。
実は、最近では有名な投資家たちが軒並み運用成績を落としている中で、AIがかなり優秀な運用実績を残していると言うのです!
これは数字で分かる明確な事実なので、世界のヘッジファンドが無視するわけではありません。
それはそれはとてつもない金額を使ってAI技術者を集めているとのことです。
例えばサッカーで、メッシやクリスティアーノ・ロナウドを引き抜こうと思ったら50億、100億というお金が平気で動きますが、それくらいのお金で、GoogleやfacebookやAppleが抱えているAI技術者をヘッジファンドが引き抜いているらしいのです。
今や優秀なAIを開発できるAI技術者は、プロサッカー選手並みの憧れ職業と言えるかもしれません。
このように、今後あらゆる分野に進化し続けるAIが活躍の幅を広げていくことは避けられないことですし、AI技術者の争奪戦も激化し、国も技術者育成に本腰を上げていくことでしょう。
しかし、一方でAIによって人間が担ってきた様々な生産活動、様々な職業が奪われていくことも避けることはできません。
AI技術者は引く手あまたでしょうが、上記の例で言えばエコノミストはもはやいらなくなります。
はっきり言って、日銀の政策委員も、人間のトレーダーもいらなくなるでしょう。
AIが政策をつくれるのであれば、官僚も国会議員ももっと少なくて済むでしょうし、銀行員も今ほど必要ありません。
受付だって、もうAIがやっているんですから。。
職業、産業のパラダイムシフトはすでに始まっています。
今までと同じような価値観、職業感覚でいるならば、とてつもなく巨大でスピードの速い波に飲み込まれて、その存在を駆逐されていくことになるかもしれません。
いかに過去に囚われることなく、未来を見据えて今から準備しておくことが重要なのかということです。
津波が来てからでは遅すぎます。
津波が来ることが分かっているのであれば、準備が出来ます。対策が打てます。
今からの人生、一体何に時間とお金と労力を投資し、何を蓄積していくべきか?
シリーズでお届けしていきます