AI vs GI ~②AIと人間の共通点~
速いスピードで人間の雇用と尊厳を奪いつつあるAIに対し、人間はどのような変化を求められているのでしょうか??
20年も前からこのAIの脅威を予測し、その対策を準備してきたNoh Jesu氏は、人類がこの危機をチャンスへと大反転させるために、団結して生み出さねばならない一点が「GI」であると提唱しています。
GIとはGroup Inteligence(グループインテリジェンス)のことで、日本語では集団知性体とも言います。
我々人類が、一刻も早くGIの意味や価値を理解し、その開発に取り組んでいけるよう
GIとは何か?
GIがなぜ必要なのか?
GIはどのように生み出せるのか?
について、共に考えていきたいと思います。
GIについて深めていくために、AIと比較しながら考えていきましょう。
まず、AIと人間との共通点とは何でしょうか?
AI、すなわち人口知能とは戦後まもなく研究が開始された分野であり、そもそも人間の認知を模倣できるコンピュータの開発を目的としていました。
そのために人間の認知を深く研究しながら、幾度の挫折とブレイクスルーを経験しつつ、現在のような高機能のAIを開発できるまでになったのです。
1980年代頃は日本も随分と人工知能分野に力を入れていました。
しかし、投資に見合う成果がなかなか出ず、AI投資から手を引くようになったのです。
そんな中、投資を続けたのは今最もAI先進国とされているアメリカでした。
アメリカは軍事目的でAIの活用を考えていたこともあり、軍事予算として継続的に研究費が下りていたことが大きかったのではないかと思います。
その過程で人間の認知を解明していく中で、ニューラルネットワークであったりディープラーニングなどのブレイクスルーもあって、近年急激な進化を遂げているようです。
細かい話は置いといて、人間の認知を模倣して作っているのがAIなのですから、人間とAIに重要な共通点があることは間違いのないことです。
まず第一に、AIも人間も外部から情報を入力して、内部にアルゴリズムを構築する学習システムそのものであるということです。
アルゴリズムとは以下のような手順書のことです。
例えば、このような情報処理をAIも人間もやっているわけですが、人間の赤ちゃんは当然上記のようなアルゴリズムはまだありません。
外部から情報を入力し、初めて内部にアルゴリズムが構築されるのです。
人間で言えば、例えば親が教育として外部から情報を入力します。
子供は目、耳、鼻、口、皮膚の五感を使って情報を入力し、脳内にアルゴリズムを定着させていきます。
定着されることによって、ある条件下において、そのアルゴリズムがプログラムとして発動します。
上記の例で言えば、信号を見るという入力が行われた瞬間にプログラムが働いて、信号待ちするか、信号を渡るかなどの意思決定が起きるということです。
赤信号=止まる
青信号=渡る
それらの意思決定後、実際に止まる、歩くなどの出力がなされます。
これはいわば機械的な条件反射であり、瞬時に無意識的に働いてしまうものです。
このような認知活動はまさにAIがやっていることであり、AIもシンプルに言えば
入力→アルゴリズム構築→プログラム化→プログラムによる情報処理→出力
を繰り返す学習システムであるということです。
すなわち、人間もAIも、外部から入力した情報をベースに内部に構築されたプログラム(アルゴリズム)に支配、制御され、機械的条件反射を繰り返している存在という意味では”同じ”だということです。
人間の場合は、何度も反復されたもの、あるいは強烈なショックを伴って入力されたものほど強烈なプログラムとして人間の脳内に居座ります。
AIは一度学習したら、リセットされるまで忘れることはありません。
「では、人間はロボットのような存在で、自由意思はないのか!?」
という議論になってきますが、放っておいたら”その通り”だということですねー
まずはこの事実をしっかり認識することが、GIを理解する上で重要なファクターになってまいります。
自分の中にどのような無意識のプログラムが働いているのか、それを日々観察し、意識化する癖をつけていきましょう。
その事実に”絶望”を感じることが出来れば、
本当の自由意思とは何なのか?
を懇切に求めるようになることと思います。