なぜポジティブ・シンキングは危険なのか
一般的にポジティブ・シンキングは良いとされているところがあります
確かに、物事を前向きに捉え、積極的な姿勢態度で生きることは、良いイメージを持ちやすいですよね?
ネガティブに生きることとポジティブに生きること、どちらが良いですか?
と聞いたら、ほとんどの方がポジティブと答えることでしょう
しかし、それが本当に幸福な人生を保障してくれるのでしょうか?
今回は”ポジティブ思考”を敢えて疑ってみたいと思います
さて、一つの物事に対して、物の見方は一つだけではありません
無数の物の見方ができるというのは誰もが認めることだと思います
例えば、マグカップを見たときに、
ある観点から見れば、取っ手が見えるし
ある観点から見れば、取っ手は見えません
上から見れば、円形に見えるでしょう
観点によって見え方が変わるという例です
さらに、それを人間の思い方として考えたときに、
例えば、雨が降ってきた時に、
「服が濡れるから嫌だなぁ」と思う人もあれば
「作物にとって恵の雨だ」と思う人もいるでしょう
このように、物事、事象に対してどう判断するかは、その人の人生背景によります
つまり、人生背景によって判断基準は作られ、その判断基準を使って誰も判断、意思決定しています
仕事でミスをして上司に怒られたとしましょう
ある人は、ポジティブに受け止め、これを糧にもっと成長しようと思うかもしれません
ある人は、ネガティブに受け止め、自分は仕事のできない人間だと決めつけて落ち込むかもしれません
ネガティブに捉えた人が、ある時ポジティブ・シンキングをしようと心に決めます
そして、ネガティブに捉えることがあっても、ポジティブに捉えようと前向きな物の見方に切り替えようとします
前向きに捉えようとすることで、新しい観点から物事を見ることになるので、当然新しい物の見方ができるようになります
上司に怒られても、視点を切り替えて前向きに受け止め、改善、成長しようと心がけることになるでしょう
これは一見素晴らしい事のように思います
しかし、見落としてはいけないのは
ポジティブに切り替える前に、一瞬でもネガティブな判断をしてしまっているという事です
それは事実なのに、それを”あたかもなかった事のようにして”上書き保存するが如く、ポジティブ思考に切り替えようとする人がいますが、これは危険です
だって、ポジティブに考えている裏で、いつも自己否定していることに気づいていないということですから
この無意識のネガティブの蓄積は、必ずストレスとなって跳ね返ってきます
気づかないうちにストレスを蓄積し、やがて心が疲れ、体にも影響が出てきます
無意識でやっていることを放置してしまうことはとても怖いことです
例えば、貧乏ゆすりをやっていることに気づいていないとしたら治せるでしょうか?
何事も、気づいてこそ改善することができるのです
ですから、ポジティブ・シンキングそのものが問題なのではなく、ポジティブに無理やり切り替えようとして、実はネガティブな判断をいつもしてしまっている自分の判断基準に気づかないことが問題なのです
観点を切り替えること自体は、人生を変えていくためにとても大切なことです
しかし、いつもやってしまっている判断の基準にしっかり気づいた上で切り替えること
これが重要ですね
切り替える前に、まずは観察!
nTechも活用しながら、自分の考え、感情、言葉、行動、関係構築のパターンを観察する癖をつけていきましょう!!