日本の強みを生かした第5次産業革命
先日、第27回産業競争力会議が開催されました。
以下は、首相官邸HPより抜粋しています。
会議では、「日本再興戦略2016」(素案)について議論が行われました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
「成長戦略第2ステージの鍵は、第4次産業革命の実現であります。IoTやロボットを活用して、一人一人の状況に応じた個別化サービスや新しいビジネスが生まれます。全ての工場や店舗がIoTでつながり、在庫ゼロ、即時オーダーメイド生産が可能となります。あらゆる産業が一変する可能性があります。
大きなチャンスである反面、乗り遅れれば日本の主要企業が世界の先行企業の下請となり、日本経済全体にとってピンチとなるおそれがあります。
スピード勝負で改革に取り組むため、司令塔として『第4次産業革命官民会議』を設置します。
まずは、3つの重点課題に取り組みます。
第1に、健康医療など有望な分野を特定し、企業や組織の垣根を越えて、データを共有・活用するプラットフォームの形成を促します。
第2に、技術革新の動向を踏まえ、先手先手で規制・制度を改革します。
第3に、第4次産業革命の時代を勝ち抜ける人材を育成します。初等中等教育でのプログラミング教育を必修化し、ITを活用した習熟度別学習を導入します。
第4次産業革命を新たな成長のエンジンとして、『GDP600兆円』を実現するために、更に全力を尽くしてまいります。」
ここまでが抜粋です。
皆さまはどう思われますか?
このままでは日本が第4次産業革命の波に乗り遅れるので、急いで後追いをしている構図が良く見て取れます。
アメリカは、自由な風土からくるクリエイティビティと大企業の豊富な資金、そして、早い段階からの政府のバックアップによって、次々と新技術が開発され、第4次産業革命ブームをけん引しています。
中国は事実上の一党独裁体制の中、国家主導の剛腕で、Google、Facebookなどアメリカからの市場進出をグレートファイアーウォールによって阻みつつ、国内IT企業を育てて第4次産業革命を推し進めています。
ネット人口が6億を超える中国は、旺盛な内需によって、2013年には市場規模で日本を抜き去り、将来的にはアメリカ、ヨーロッパに迫る勢いです。
そのようなデジタル経済戦争が繰り広げられる中、日本は、技術的には強い分野を持ちながらも、市場規模、影響力ともに、アメリカ、中国からは完全に引き離されている現状があります。
安倍首相も言っているように、このままいけば日本経済全体にとって大ピンチとなってしまうでしょう。
そこで、後追いして、今から小中学校からプログラミングを教えると言うのです。
「はっきり言って、遅い!!」
と思うのは、私だけでしょうか。
確かに何もせず放っておけば、もっと取り残されていくのは明らかですが、焦って後追いするだけでなく、大局的視野に立って、その先にある第5次産業革命をも見据えた戦略を獲るべきではないでしょうか??
日本の強みを生かした第5次産業革命
それは、人間の知能、技能を補完するAI・ロボット開発を通した第4次産業革命の次となる産業革命。
人間そのものを開発し、人間の無限の可能性とクリエイティビティを花開かせ、AIを超える人材を開発していく産業革命です。
第4次産業革命と第5次産業革命の両方を同時に成し遂げていく国家VISIONのもと、産官学民言が一体となったALL JAPAN体制をけん引していくことが、今の時代のリーダーがすべきことだと思うのです。
AIが到達できない”因果を超える領域”
それは心の領域
その領域を開発できるセンスは日本がずば抜けて持っている強みです。
その強みを生かした第5次産業革命は、物質の時代を終わらせ、心の時代を開いていく歴史的革命となるでしょう。
そのためのキーワードが「デジタルマインド」
現実空間とサイバー空間と意識空間がデジタルで繋がる「ハイパーコネクション社会」
日本から、面白い時代が始まります。