エクスポネンシャル組織とティール組織
シンギュラリティ大学の創業ディレクターであるサリム・イスマイルが
「エクスポネンシャル組織」という考え方を提唱しています。
エクスポネンシャル組織とは
「少ない従業員数で桁違いに大きい影響力や成果を生み出す組織」と定義されています。
最近では、シェアリング・エコノミーを実践している企業によく見られる組織ですね。
例えば配車アプリのウーバーです。
ウーバーは自社で車を保有していないにも関わらず、世界中のタクシー会社を合わせたよりも影響力のある世界最大の旅客運送会社です。
未上場ながら、その時価総額は物流最大手のフェデックスの時価総額を凌駕します。
或いは、空き物件の賃貸プラットフォームを提供するエアビーアンドビーもそうです。
彼らも貸し出すための部屋を一室も所有していないにも関わらず、世界最大級のホテルチェーンであるハイアットの時価総額を大きく凌駕するのです。
ちなみに、従業員数は100分の1程度です。
他にも、中国最大の企業であるアリババも、流通業者でありながら在庫は持ちません。
あのfacebookだって、自らのコンテンツは持っていないのです。
自らは小さくありつつもテクノロジーを駆使することで大きなインパクトを生み出しています。
そのようなエクスポネンシャル組織をどうしたら科学的に生み出すことができるのでしょうか?
私は、nTechという認識技術を共有した5人組を1単位とする組織こそがエクスポネンシャル組織として機能すると考えています。
googleが自社の多様なプロジェクトチームを徹底的に調査し、生産性が高いチームに共通してみられる特徴を抽出したプロジェクト・アリストテレスというものがあります。
その中で、生産性を上げるために最も重要な要素とは、
心理的安全性であると結論づけました。
すなわち、何を言ってもジャッジされない。
言いたいことが無限大アウトプットができる。
存在そのもの、ありのままを受け入れ、お互いの尊厳を大事にするチームということです。
そうはいっても無意識に判断し、否定してしまうのが人間です。
ですから、本当に心理的安全性が担保された場を作ることは容易ではありません。
そこで、nTechという認識技術が必要になります。
nTechは、つい無意識に比較し、判断し、ジャッジする脳機能を制御、統制し、
比較不可能な領域を共通土台としてコミュニケーションができるようにする技術です。
互いに比較ができない尊厳そのものとして認識するようになりますので、必然的に比較、判断、ジャッジのない関係性を作り出すことができます。
そのベースがあることが大前提で、次にnTechのパワーが発揮されるのが、
エクスポネンシャル認識です。
個人レベルのエクスポネンシャル認識ではなく、チームが一人の人間として、共通の問題意識、共通のセルフイメージを持つようにします。
そのイメージも、常識の枠組みを超えた、まさにぶっ飛んだセルフイメージを持つのです。
そのイメージが現状と格差があればあるほど力強いエネルギーが作られ、エクスポネンシャルな変化とパフォーマンスを生み出す原動力になるのです。
今年、ビジネス本で「ティール組織」という本が話題になりましたが、
その本の中でも次世代型組織の条件として挙げられているのが、
ホールネス(全体性)という概念です。
つまり、人間の脳の部分観でコミュニケーションしていては、互いの共通土台がなく、どうしても比較が働き、ジャッジが働き、心理的安全性が担保されません。
nTechは全体観を持つことができる技術ですので、まさにティール組織を作るための技術であるとも言えます。
この変化の激しいAI時代において、新しい組織モデルの誕生が世界中で求められており、次世代組織モデルの提案も様々な形で出されております。
しかし、いずれの組織論も脳の認識機能の限界を突破しなければ構築することはできないでしょう。
あらゆる角度から、nTechが求められていることを感じざるを得ません。