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尊厳City研究所 大川ともゆきのブログ

nTechで理解するティール組織②~衝動型パラダイム~

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今回はティール組織に至る1段階目のパラダイム

「衝動型パラダイムについて5つの角度から解析していきたいと思います。

 

全体像についてはこちら


songen-city.hatenablog.com

 

衝動型パラダイムの前段階として、

書籍では「受動的パラダイム「神秘的パラダイムについて触れられています。

 

この段階は、まだ人間に明確な分離エゴ意識というものが芽生えてません。

時間感覚も、過去や未来という概念はほとんどなく、”今”に生きています。

当然、組織体系のような明確な秩序もなく、動物の群れと変わりありません。

死という概念もないので、簡単に人も殺してしまう、まさにカオス状態。

その状態から、どのように組織や秩序がつくられていったのでしょうか? 

 

 

①欲求レベル

 

まず、このパラダイムの中心的欲求は、マズロー欲求段階説を引用するならば、

「生理的欲求」のレベルですね。

すなわち、生命を維持したい欲求ということです。

 

昔の人類は、今のように秩序ができているわけではなかったので、

生きていくのも大変だったわけです。

 

地震や火山の爆発、台風など、自然は人間に大変厳しいものです。

さらに、食べ物も狩猟、採集に頼らなければならない時代には、

何とかして、獲物を狩ったり、木の実を採らなければなりません。

 

あるいは、集団として生き残るためにも、多く子どもを残そうとする本能も強くあったことでしょう。

 

このように、食欲、性欲などを中心とした、生き伸びたい欲求が蓄積されることで、

様々な進化が人類にもたらされていきます。

 

 

②人間の意識レベル

 

欲求は人間に意識の進化を促します。

すなわち、明確な自他の分離意識が無い状態から、

他者からも環境からも異なった存在としての自己認識、

すなわち、分離エゴ意識が誕生するのです。

 

この体が自分というエゴ意識が生まれることで、

部分という概念、全体の中での役割という概念が生まれます。

 

生き延びるという共通の目的のもと

役割分担しながら分業するなど、他人と協力しながら、

狩猟したり、採集したりするようになります。

 

分離エゴ意識が生まれることで、

分離感からくる不安感、恐怖感などを感じるようになりますね。

ですから、現代人の根底にも分離感からくる不安、恐怖が根深く息づいているのです。

 

明確なヒエラルキーまでは生まれないものの、奴隷制など格差はつくられます。

 

 

③新しい技術

 

人間の意識レベルの進化は、新しい発見や発明につながります。

衝動型パラダイムにおいては、基本的に採集や狩猟で生き延びます。

 

そんな中、いかに効率よく獲物を狩るのかという思考から、

石槍や石斧など、道具が開発されていきますね。

それら道具を活用しながら、狩猟技術が進化していきました。

 

しかし、採集や狩猟生活では食糧が安定せず、非定住型の生活を繰り返すしかありませんでした。

よりもっと安定的に食糧を得たい欲求から、やがて原始的な農耕技術が発明され、徐々に定住型の暮らしができるようになっていくのです。

 

このように、非定住のノマド生活から定住型の集落生活へと変化できたのは、

農耕技術の発明によるブレイクスルーがあったからなのです。

 

 

④組織システム

 

このような欲求、意識レベル、技術に基づいてつくられた組織形態が

「衝動型組織」です。

ティール組織の書籍ではRED組織と色でも表現をしていますね。

 

RED組織は、採集・狩猟社会から農業社会への移行期において誕生していますが、

現代においても、このようなタイプの組織はあると言います。

例えば、マフィアやギャングなどにみられるのだそう。

 

RED組織の特徴を整理すると、

1.強力な上下関係がある小規模で支配的な集団

2.対人関係に力を行使し続け、恐怖によって他の構成員を従わせる

3.正式な階層も役職もなくトップのリーダーシップに依存した組織形態

4.衝動的で計画性がないので組織としては脆弱

5.内戦や国家の破綻などの混沌とした環境にへの対応力は高い

 

 

⑤文明社会

 

RED組織によって実現したのが、採集・狩猟時代末期の定住型社会であり、

原始的な農業社会ということになります。

 

このように、

欲求、意識レベル、技術、組織、社会はすべて連動しています。

このような要素から各パラダイム、各時代、そして現代を俯瞰して観てみると

未来社会の要素が浮き彫りになってくるでしょう。

 

次回は、順応型パラダイムについて解析していきます。