ブレない生き方を実現するために
昨日に引き続き、孫氏の兵法を活用した一年の目標・計画の立て方について共有して参ります。
一年をスタートする上で大切な「計」
それを「道」「天」「地」「将」「法」の「五事」に従って立てること。
まず「道」はアイデンティティセッティングであるというところまで共有しました。
過去のイメージ、相対比較から完璧に自由になった「尊厳」そのものの自分になる事が全てのスタートです。
「天とは陰陽、寒暑、時制なり」
「地とは遠近、険易、広狭、死生なり」
「天とは自然条件とその法則のこと、また国際環境情勢や条件を意味する」
「地とは地理地勢条件のことで、つまりは財政力や経済力の事」
と一般的に解釈されます。
しかし、「天」を深く読み解けば、宇宙自然の法則、メカニズムを明確に理解していることが大前提で、今の時代がどういう時代なのかを把握できている事となります。
そして、「地」は日本を含め、世界がどのような動きをしているのか、その動きを繰り返す事で、どのように変化していくのかを読み解く力が必要になります。
実は、このような要素を無視して個人の目標及び計画を立てる事など本来できません。
なぜならば、私たちは一人一人は時代や世界、日本と無関係ではないからです。
だからこそ、普段からそのような情報に関心を持ち、全体と本質を見通す目を養う必要があります。
時代精神や世界情勢の全体像を理解した状態で、ようやく全体の方向性が観えてきます。
そこで自分の役割、目標が観えてくるのです。
「将とは、智・信・仁・勇・厳なり」
「将として具備すべき資質は知力、信頼、仁愛、勇気、厳格である」
さて、目標が観えてきたところで、次は「将」
つまりリーダーの事ですが、これを個人に置き換えますと、大事にすべき考え、意思決定の指針ということになります。
前回、国民を考え、感情と解釈しましたが、国民の代表でありリーダー的存在が将です。つまり、中心とすべき考え、意思決定の基準とは何なのかということです。
それが、
知力、すなわちオープンに何でも情報をインプットして知恵、アイデアに変える事
信頼、すなわち人と深く出会い、繋がり、裏切らない関係性をつくる事
仁愛、すなわち大きな心で人類全体を抱きしめるように愛する事
勇気、すなわち死を恐れず勇敢に決断し、実践行動する事
厳格、すなわち精密、繊細な心で自らを律し、知行合一を果たす事
となります。
過去にとらわれない心から、指針に従って意思決定を繰り返していく事で、着実に目標を達成することが出来るのです。
「法とは曲制、官道、主用なり」
「法とは軍隊の組織、規律、装備のことで、つまりは外交諜報力を含む軍事力の事」
最後に「法」
これは簡単に言えば規範、ルールの事です。
個人に置き換えれば、ゴールマネジメント、タスクマネジメント、タイムマネジメントという事になります。
目標に対して計画を立てたら、やるべきタスク全体を管理し、いつ、何をやるのかというレベルまで落とし込み、予定通りやったかどうか、効果はどうだったのかという効果測定と改善まで精密にやる習慣、仕組み、システムを作る事がとても重要です。
このように「五事」に従って「計」を行う事は、自らのブレない生き方を実現していくことでもあります。
また、組織の長でしたら組織のメンバーとこのことを共有する事が出来れば、最強の組織をつくることもできるでしょう。
今回は大まかなイメージでしたが、機会があればより細かく表現してみたいと思います。